今年もとうとう12月となりました。思い返して見ると1、2月はとても寒く7、8、9月はとても暑かったです。日本の美点は四季です。それぞれの良さがありました。しかし、ここ数年は冬が終わり春になったと思うと花粉症がピークになり、花粉症が終わったと思ったら、暑くて長い夏の始まりです。束の間の秋は、熊が暴れ回り、そしてまた寒い冬がやってきます。日本の四季は崩壊したのでしょうか。
インフルエンザも以前とは流行のピークが変わってきました。以前は冬季の病気でした。今は北半球、南半球問わず一年中外国から旅行者がやってきます。日本は夏でもオーストラリアは冬でインフルエンザが流行しています。そこから旅行者が多くやってくると日本でもインフルエンザが夏でも流行することがあります。思い出して下さい。新型コロナウイルス感染症が中国で発症していると報道があった3ヶ月後には日本でも流行し始めました。インフルエンザも流行し始めると、すぐ日本全国に広がります。
現在は高齢者を除いては命を奪われる病気ではありませんが、小児では脳症など引き起こす病気なので、かからない方が良い病気に変わりありません。特に高齢者はインフルエンザに引き続き肺炎を併発することが多いので注意が必要です。では、かからないためにはどうしたら良いか?手洗いやうがいの励行や人混みに出る場合はマスク着用が必要になりますが、やはりワクチン接種が重要です。
ワクチンは従来の注射の他、痛くないワクチンとして「経鼻ワクチン」と呼ばれる鼻の中にスプレーするタイプのワクチンがあります。従来のワクチンと比べて何が違うのでしょうか。鼻の穴のすぐ内側先端を置いて左右1回ずつ噴霧するだけで痛みはありません。2歳から18歳までが対象です。ただ、注意も必要なワクチンです。従来の注射ワクチンはウイルスの病原性を完全に無くして免疫を作るのに必要な成分だけにした「不活化ワクチン」なのに対して経鼻ワクチンはウイルスの病原性を極力弱めた「生ワクチン」です。生ワクチンのため、稀にワクチンのウイルス由来のインフルエンザを発症することがあります。妊娠中や免疫不全の人、授乳中や喘息の人、周囲に免疫不全の方がいる人はリスクの面から不活化ワクチンが推奨されています。ただ、従来から考えると予防接種の幅が広がり多くの人が受けやすくなったと思います。現在高齢者向けの高容量のインフルエンザワクチンの接種も可能になっています。(従来の4倍の濃度で副作用は従来のものと変わらない。今季は助成対象とはならず。)冬を元気に乗り切るために、インフルエンザワクチン、コロナワクチンの接種をお願いします。
皆様にとって平成7年はどんな年だったでしょうか。私は、時代の波に抗えず電子カルテを導入し、それに伴い多くの変動があり、戸惑った一年でした。お正月はゆっくりテレビで箱根マラソンを見たいと思っていましたが1月3日は救急当番日でした。インフルエンザが流行しませんように。








