新型コロナウイルス感染症は第9波に突入し、インフルエンザが夏の間も流行する事態となりました。コロナウイルスはどんどん変異し未だに治まる気配がありません。インフルエンザも予防接種が始まります。今年度流行しそうな株を予想してワクチンを作成しています。今の流行株に対応できているかが心配ですが重症化予防のために、インフルエンザとコロナの両ワクチンの接種をご検討下さい。
自分の心に触れてみたい。自分の心の声を聞いてみたい。自分の心と対話したい。と、思ったことはありませんか。自分とは一体何者で、どこからやってきて、どこへ行こうとしているか考えたことはありませんか。
コロナ禍で時間があった時に非常に悩んだことがあります。「私とは何か」という問題です。自分を操る「本当の私」とは何か。哲学的な問題ですが、こんな事を考えるようになった自分の成長に驚いています。
私の考える「本当の私」は、例えると、剣道の試合中に考えることなく体が勝手に反応して動き、気がついた時には試合に勝っていたような時や、難しいはずのテストがスラスラと解答が出てくる時など何も考えていないのに勝手に頭が反応しているような状態などの時に自分を操作している自分が本当の自分と考えていました。スポーツでいうゾーンに入った状態を操る自分が本当の自分で、それは私の魂ではないかと考えていました。
そのような時に、作家平野啓一郎氏の「本当の自分はひとつじゃない」という著書を読みました。氏は今までは本当の自分は一つであり個人は分けられないという考えであったが、人は複数の分人(ぶんじん)の構成比率により決定され、分人の構成比率が変われば個性も変化する。つまり自分は分人の集合体だと述べています。氏の分人の考えは、「なるほどな」と思ってしまいます。しかし、この考えでは、自分は分人に支配された存在で構成される分人の力関係により自分が変化してしまいます。自分の成長や性格の変化は多くの分人を持つことや分人の力関係で説明できるようです。
ただ、私は、根本には「本当の自分=魂」があって、その周りに複数の分人がいるのではないかという考えに至りました。これなら、自分の成長や思想の変化などにも対応しているように思います。つまり、「私=魂+分人」です。
秋の夜長に「自分とは何か」考えてみるのはどうでしょうか。私は平野啓一郎著「本当の自分はひとつじゃない」(講談社現代新書)でコロナ禍を有意義に過ごせました。