オミクロン株の感染拡大が脅威となっています。デルタ株より感染力が強く感染拡大のスピードは想定を遥かに超えています。重症度はデルタ株より低いと言われますが、高齢者や基礎疾患のある方には脅威となります。ワクチン接種が重要となりますが、3回目の接種は、感染を防ぐための接種より、重症化を防ぐために接種すると言う意味合いの方が大きいと思います。感染を防ぐには従来から言われている、3密(密閉空間、密集場所、密接場面)を避け、マスクの着用と手指の手洗い、消毒、外出後のうがいなどをしっかりする必要があります。ワクチン接種に関してもファイザーでもモデルナでも効果の差はあまりないので早く接種することをおすすめします。感染者数が多くなると濃厚接触者も多くなり、医療機関の診療縮小や診療困難な場面も出てきます。慎重な行動が求められています。
私が医師となってから、多くの患者さんに出会い、たくさんの言葉をいただきました。感謝の言葉、励ましの言葉、抗議の言葉、叱声、不安、疑問など、どの言葉も、その時の患者さんの気持ちが込められたものでした。その言葉で私自身は大きく成長できたと思っています。そんな言葉の中でも特に私の心に残った言葉があります。それは、「先生は心医です。」と言われたことです。
その患者さんは、手術の必要がありました。私は、いつも手術に臨む方にする話があります。それは、「手術をされる。」とか、「手術を受けなければならない。」などの受け身的な考えよりは、自分自身が病気を克服さるために、自分から「手術を受ける。そして、元気になる。と考えた方が手術後のリハビリや回復が早くなり、頑張る力が湧いてきますよ。いつまでもメソメソと手術されると考えるより早く元気になれますよ。」と話しています。そして、「早く帰って来てね。」と握手して送り出します。その患者さんは、このことに勇気と元気をもらい、手術の不安が無くなったとお手紙を下さいました。その方は今も頑張っておられます。「心医」、この言葉に私は心から「医師をやっていて良かった。」と感じました。このことを胸にこれからも、医師として患者さんを元気にさせてあげられるように精進していきたいと思います。
患者さんを診察するうえで心がけていることは、触れると言うことです。痛い部位を触ると患者さんから「痛いがー。何で触るん。」と怒られることもあります。触ると、色々な情報が分かるのと、患者さんとの距離が縮まるように思います。時々、肩を揉んで「50円になります。」と言うこともあります。私は、スキンシップも「心医」に必須だと思います。これからも、痛いところを含めどんどん触ります。これも「心医」修行のためです。お許し下さい。