新型コロナ感染症のデルタ株が猛威をふるい未曾有の第5波となりました。今、我々がコロナ禍から脱出するには、人流の抑制とワクチン接種になります。そのワクチン開発にはとんでもないドラマがありました。
1985年共産主義の東欧ハンガリーから2歳の娘と夫を伴い米国に旅立った女性がいます。彼女の名前はカタリン・カリコ。たった100ドルを娘のぬいぐるみのテディベアに隠し、片道キップで渡米しました。米国の大学では生きるために必死で働きました。その時から当時見向きもされなかったmRNA(メッセンジャーR N A)の研究をしてきました。メッセンジャーR N Aは遺伝物質の一種です。(胃炎物質ではありません。)
大学では役に立たないと冷遇されましたが、いつかは必要になると信じて研究を続けました。そんな折、ドイツのベンチャー企業のビオンテック社から声がかかりました。ビオンテック社はmRNAを使った癌治療薬を開発しているベンチャー企業です。コロナ禍以前に製品を市場に出したことはありませんでした。その、ビオンテック社は中国武漢でコロナ感染症が確認されるとすぐ、社命をかけ、カリコさんを中心にライトスピード(光速)計画でワクチン開発に取りかかりました。
2020年1月に新型コロナウイルス感染症を確認し、わずか2ヶ月後の3月にはファイザー社と治験と製造販売で合意し、12月には英国が世界で初めてコロナワクチンの使用を承認しました。通常、ワクチン開発から市場に出るまで10年程度かかると言われている事を考えると、異例の早さです。まさに奇跡のワクチンです。
コロナワクチンのお陰でコロナ感染症に立ち向かうことができるようになりました。一人の成功を信じた女性研究者と彼女を信じた会社の英断が人類を救おうとしています。日本でも夢を信じて研究する研究者の方々が研究できる環境を整えることが第2、第3のコロナ感染症に立ち向かい、人類を救う近道になるのではないかと考えます。
コロナワクチン注射は副反応の心配もありますが、心配なことは医師に相談し、多くの方々に納得して接種してもらいたいです。そして、早くマスク不要な日常を取り戻しましょう。