昨年12月、新型コロナウイルス感染症は中国の武漢で原因不明の肺炎として報告されました。その時、日本では忘年会やクリスマスシーズンで12月を謳歌していました。来年は東京オリンピックが開催され、一生の記念に残る2020になると誰もが思っていました。中国の肺炎は所詮中国の一地方都市の感染症で我々には関係無いと、たかをくくっていました。その肺炎は2月11日にWHOで「COVID 19」( coronavirus disease 2019 )と命名され現在に至っています。この感染症が全世界にパニックひきおこしました。「忘年会」言葉通り、年を忘れる会です。早くCOVID 19を忘れ、いつもの忘年会をしたいです。ただ、COVID 19に苦しめられているのはhuman being(人間)だけです。これは神の意思なのでしょうか?
「福祉避難所」をご存知でしょうか。一般の避難所では生活の難しい高齢者や障害者ら特別な配慮が必要な被災者(要配慮者)のため、災害時に開設される避難所のことで、災害対策基本法に基づいて市区町村が指定します。場所は公共施設や福祉施設などで、民間施設の場合は協定を結ぶ必要があります。内閣府のガイドラインによると、福祉避難所にはバリアフリー化、介助用品の備蓄、おおむね10人の利用者に1人の介助者を置くことが必要です。現在福祉避難所は支援が必要な人でも、一度一般の避難所に行き、そこで福祉避難所の利用が必要であると判断されて初めて福祉避難所に移動できる仕組みになっています。
「避難勧告等に関するガイドライン」が平成31年3月に改定され、住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示され、この方針に沿って自治体や気象庁等から発表される防災情報を用いて住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるよう、5段階の警戒レベルを明記して防災情報が提供されることとなりました。警戒レベル3で高齢者は自らの判断で避難を開始して下さい。と書かれています。警戒レベル3で避難所の開設準備に追われている中、要介護者の方が一般避難所に避難しても介護を支援してくれる方もおらず、障害者用トイレも無く、バリアフリーでなく、横になるベッドも無い避難所でどうするのでしょうか。福祉避難所に移送しようにも混乱して移送どころでないと思います。
日常からその地域で、避難時に福祉避難所を必要とする方をピックアップし、警戒レベル3がでた時には、介護タクシーや福祉タクシーが自動的に必要とする方を家まで迎えに行き、福祉避難所まで送迎するようなシステムを作っておかないと、災害弱者である要介護者の方とその家族が安心して暮らすことが出来ないと思います。
いつか岡山市にも大規模災害が起こります。今はその時の備えをする時期です。今の災害対策は、要介護者からの視点が抜け落ちています。要介護者の方の目線で災害対策を考えて頂きたいと思うとともに、私も微力ながらこの問題に取り組んで行きたいです。