令和元年も残り3カ月となりました。季節の移り変わりは早いものです。酷暑と言える夏が終わり、実りの秋がやってきました。最近、豪雨や台風と自然災害の凄まじさを実感します。地球温暖化が原因だとしたら、自国の貿易問題でダダをこねたり、他国との戦争などにうつつをぬかしている暇は無いと思います。宇宙船地球号に火災(温暖化)が起きている時に乗船している地球人が早い時期に消火をしないと、宇宙船地球号はそのうち炎上して沈没する運命にあります。各国の首相たちは、なぜこの事実にもっと真摯に向き合わないのか不思議でなりません。そういう私の心配はこの秋何回さんまを食べれるか?ということですが…。
認知症になってまで生きたくない。と考える方もおられると思います。9月8日の毎日新聞に「認知症安楽死、論争に。合法化のオランダ医師起訴。」という記事が載っていました。
安楽死を認められているオランダでは2018年6126件の安楽死があり7割が癌患者で認知症は146件で全体の約2.4%でした。そのオランダで認知症患者の安楽死をめぐり議論が起こっています。本件は重い認知症を患い、生前「その時がおとずれたら、安楽死を望む。」と生前指示書に署名していました。医師はその時がきたと判断し、第三者の医師に相談し、家族の同意を得てその方の安楽死を実行しました。実行前に重い認知症の本人にその時がきたことを知らせていませんでした。重い認知症の方は少し前にはもう死にたいと話すことがあったり、まだ死にたくないと話すこともあったそうです。今回担当医は本人の意思確認が明確でないとして起訴されました。
争点は認知症になる前に明確な意思があったのに、重い認知症になった時に明確な意思を確認できるか。ということになります。認知症になる前は、認知症になった場合は明確な判断が出来ないため、認知症が進行し、その時が来たと判断した場合は安楽死を希望すると、事前指示書にサインしたにも関わらず、重い認知症になっている時の判断を求められるとすると、現場では複雑な判断を求められることになります。
安楽死を合法化しているオランダでさえも、死の「自己決定権」に関する問題は続いています。スイスでは治療の見込みのない外国人患者の「自殺ツーリズム」があり、議論が続いています。
日本では憲法改正問題以上に安楽死は難しいと思います。ただ、自分の最期を自分らしく過ごすためには、生前指示書やACP(アドバンス・ケア・プランニング)がもっともっと重要になります。気軽にまずかかりつけ医とACPについて話してみましょう。