「健康のために運動をしています」とか、「健康のためダイエットを始めました」と言われる方がおられます。健康であることが、どのくらい得をするか考えたことがあるでしょうか。今回は健康がもたらす「お金」について考えてみたいと思います。
国民年金には、もらう時期を1ヶ月先延ばしにするごとに0.7%ずつ増額される「繰下げ受給」があります。65歳で月額6万円だった場合、70歳まで繰り下げたときの月額は0.7%×12ヶ月×5年=42%の増額で、月額8万5200円、1年間で102万2400円になります。1年で30万円もの差が出ることになります。
65歳で仕事を退職しても、健康であれば、人手不足の現在、再就職も可能だと思います。あと5年間頑張れば、年金が年間30万円増えることになります。このことは、体が健康であればこそ可能になります。また、1年間長生きすれば「毎年100万円」もらえることを意味しています。
次に医療費について考えてみます。厚生労働省の調査では、メタボの人はそうでない人に比べ医療費が高く、60歳女性では年間10万円多くなるそうです。健康な人でも、風邪をひいたり怪我をして医療費が必要なことはありますが、それは必要経費です。メタボから糖尿病や高血圧、脳梗塞や動脈硬化症になると年間10万円以上医療費が必要になります。例えば糖尿病で腎障害となり透析が必要になると医療費は年間480万円になります。高額療養費制度でも40万円となり、働く時間も制限されます。癌の場合ですが、今は二人に一人が癌にかかる時代となりました。早期癌と進行癌では治療費に大きな開きがあります。手術や抗癌剤、放射線療法が必要な場合は200万円近く必要になることがあり、癌は早期発見早期治療が望ましいです。
介護費はどうでしょうか。介護費用の平均月額は在宅介護で約5万円。施設介護で約13万円。平均で9万円弱です。介護の平均期間は5年1ヶ月。介護費用は一人約540万円になります。ただ、人生100年時代になってきました。介護費もこれから上昇すると考えなければなりません。
これからの生活で健康であることが一番大切だとお分かり頂けたと思います。健康で過ごし、できれば70歳まで元気に働けることがその後の人生を豊かにしてくれます。健康になるためには何が必要か。それは、元気な体です。一年でも長生きををして年100万円。介護状態にならないようにして540万。そのためには努力が必要です。ラジオ体操、散歩、スクワットで筋肉を動かし、しっかりタンパク質と野菜をとり、30回良く噛んで食事をしましょう。がんの早期発見のために毎年健診を受け、適度なストレス発散で元気な体を手にいれましょう。そして、治療や介護に払う予定だったお金を有意義に使いましょう。