老化のメカニズムが分かってきました。長寿遺伝子と言われる「サーチュイン遺伝子」が老化や寿命の制御に重要な役割を果たしています。サーチュイン遺伝子が活動し、サーチュインと言われるタンパク質が増えると寿命を延ばせることが酵母やマウスの実験で確認されました。
サーチュインは様々な遺伝子の働きを制御したり、体内のエネルギー代謝に関わったりして老化や寿命を制御します。ではどうすればサーチュインが増えるでしょうか。食べ物から長寿遺伝子を増やすにはポリフェノールの摂取です。中でも、赤ワインやザクロ、アーモンド、ピーナッツの皮、ライ麦の外皮などの含まれるポリフェノールが有用だそうです。それでは、長寿になる薬はないのでしょうか。現在、サーチュイン遺伝子を制御するNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)という補酵素が加齢に伴い減ると、サーチュインの働きが弱まり、老化が引き起こされます。NADを増やすNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)はビタミンのように小さい化学物質で体内でNADに変わります。つまり、NMNを補充すると老化を防いでくれます。現在、NMNの医薬品はありませんが、サプリメントはあります。サプリメントの効果はまだ確認出来ていません。摂取量や健康被害も明らかになっておらず、大変高価のようです。
では、経口摂取以外でサーチュンを増やす方法はないでしょうか・・? あります。食事制限です。猿の実験では腹7分を1〜2ヶ月続けるとサーチュインが増え、寿命が伸び、毛がふさふさになったそうです。腹7分を1ヶ月続けるのは結構難しいかもしれませんが、心が強く節制できる方は長生きできるようです。こういう方を行者と呼ぶのかもしれません。
私が考える、長寿遺伝子増加法は、朝10時と午後3時に高カカオチョコレートとアーモンドミルクの摂取、暴飲暴食を避け出来るだけ腹8分程度とし、運動を取り入れた生活行うことだと思います。
でも、もし長寿の方増えすぎたらどうなるでしょうか。長寿社会はバラ色でしょうか。老人が増え、若い人が減り、老害が増えるかもしれません。やっぱり、寿命もほどほどが良いのではないかと思ってしまいます。ただ、健康寿命は大事になるので、ある程度は長寿遺伝子を活性化しましょう。