コロナウイルス変異株による感染が増えてきました。感染力は以前のウイルスより強力です。では、以前のウイルスはどこに行ったのでしょうか。コロナウイルスの中でも感染力の強い変異株が大幅に増え、以前のウイルスの実効再生産数(1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す指標で、「1」を下回ると収束に向かう)が1を下回った結果、以前のウイルスは収束に向かったと思います。新型コロナワクチン接種が始まりました。多くの方が接種を受ければ、変異株の実効再生産数も必ず「1」を下回ります。みんなの力でコロナ感染症を収束(終息)させましょう。
先月の独語を書き終え、ゲノム編集技術の進歩で100年後の暮らしはどうなっているか考えてみたいと思う気持ちが強くなりました。今から100年前は西暦1921年で大正10年になります。大正10年から令和3年の現代の生活を想像することはとても難しいのと同じように西暦2121年の世界を想像することはもっと難しいです。100年後に人類が繁栄しているには、まずコロナウイルス感染を終息させることが一番大事に思えます。
そんな中、ハーバード大学医学大学院教授のデビッド・A・シンクレア博士の著書「LIFE SPAN (ライフスパン)老いなき世界」と出会いました。帯には「人類は老いない身体を手に入れる」と書いてあります。読んでいくと、最先端科学とテクノロジーが老化のメカニズムを解明したことを分かりやすく書いています。まさに、これが100年後の世界だと確信しました。
博士は「老化」は病気であり治療が可能だと言っています。人間のD N AはD V Dに記録されたデジタル情報と同じで、このデジタル情報は年を取ってもほぼ変化することの無い情報です。ただそれを記録したD V D自体に傷が入り、D V Dプレイヤーで読み取れなくなったり、D V Dプレイヤー自体が年とともに劣化していくため、元のデジタル情報をうまく再生出来なくなるか、誤再生してしまう事が老化につながるようです。博士は老化を防ぐためには若返り遺伝子を刺激する事が大事だと述べています。若返り遺伝子がD V Dの傷を修理し、D V Dプレイヤーをいつでも再生できるようにメインテナンスしています。ノーベル医学賞を受賞した山中伸弥教授が発見した老化リセットスイッチを使用し、遺伝子操作を駆使すると若返り遺伝子が活躍し老化という病気を改善する可能性があるそうです。
外来でよく「腰や肩が痛いのですが‥」と言われます。「老化だから仕方が無いです」と答える事があります。しかし、100年後は老化なので治療しましょう」とか、ひょっとしたら、もう腰や肩は痛くならないかもしれません。今出来る、若返り遺伝子の活性化は1ポリフェノールの摂取。2運動。3食事は腹八分。です。この3つを実行すれば、今からでも長寿を手に入れることが出来るかもしれません。