今年のお花見も昨年同様自粛が続いています。桜にしてみれば、精一杯力を振り絞って満開の花を咲かせて見る人を楽しませようとしているのに、何で見てくれないのだろうと落ち込んでいるかもしれません。「来年はきっと桜吹雪を浴びながら満開の桜の下でお花見できるよ。」と桜に話しかけてあげたい気持ちでいっぱいです。
ゲノム編集食品をご存知でしょうか。遺伝子を効率よく改変できるゲノム技術で開発された食品のことです。いわゆる、遺伝子操作食品です。2022年から国内でも流通する可能性があります。ただ心配なのは遺伝子操作食品に、この技術で開発したことを表示する義務が無いことです。
GABA(ガンマアミノ酪酸)は血圧を下げたりストレスを緩和する作用のあるアミノ酸です。ゲノム編集食品としてGABAを多く含むトマトを開発した会社がこのトマトの流通販売を厚生労働省に届け出て受理されました。同社はGABA高蓄積トマトの苗を無償提供し、すでに5000件以上の申し込みがあったそうです。
そもそもゲノム編集とはどういうものなのでしょうか。遺伝子の特定部位を切断して機能を失わせたり(機能停止)、外来の遺伝子を組み入れて新たな機能を持たせたりする技術(機能変更、強化)です。普通のトマトにもGABAを合成する能力がありますが、今回のトマトはゲノム編集でGABA合成を阻害する遺伝子を壊しGABAをたくさん作れるようにしたGABA高蓄積トマトです。
ゲノム編集は品種改良を効率的に行える手段として応用されています。米国ではゲノム編集して改良した大豆から製造した大豆油がすでに流通しています。今後は、卵アレルギーの無い卵や少量の餌で通常より大きく育つ魚、毒のない芽を持つじゃがいもなどの開発が試されています。
今までは自然界でたまたま突然変異を起こしたり、良い品種同士をかけ合わせたり、接木をしたりしてより良い品種を生み出してきましたが、ゲノム編集という手技を使い、簡便に品種改良することが出来るようになりました。これは、画期的な技術だと思う反面、人間の好みに合わせて、自然の摂理を改変しても良いのだろうかという疑問が残ります。さてさて、人類の100年後の暮らしは?地球は?どうなっているのでしょうか。