今年は梅雨も長く、梅雨があけると酷暑が待っていました。その酷暑の中でマスクを使用しなければならないとなると、「残酷すぎる!」と地球に言ってやりたいです。この暑さを乗り切るには水分補給が大事になります。暑い時に冷たい物を飲むとリフレッシュできますが、冷たい物の取り過ぎは、内臓を冷やし過ぎて食欲減退の原因になります。一番のおすすめは麦茶です。朝やかんでお湯を沸かして麦茶を作り、自然に冷めた程度の麦茶をしっかり飲み、残暑を乗り切りましょう。
ヒトは昔から多くの感染症と戦ってきました。その戦いを何とか制することで現在の繁栄があります。感染症を起こす原因は細菌とウイルスです。細菌の代表はO157などの大腸菌や結核菌、ペスト菌などがあります。一方ウイルスには新型コロナウイルスやエボラ、H I Vウイルスなどがあります。この両者は何が違うのでしょうか。
一番の違いは大きさです。ウイルスはナノ(10億分の1)メートル単位で細菌はマイクロ(100万分の1)メートルレベルで圧倒的にウイルスは小さいです。感染の仕組みも大きく異なります。細菌はヒトと同じように細胞を持ち、ヒトに感染すると自ら細胞分裂を繰り返して増殖します。これに対してウイルスは細胞を持たず、単独では増殖できません。ウイルスは細胞を持たないため生物学的には「無生物」として扱われますが、生物を利用してあたかも生きているように振る舞うため生物と無生物の中間に位置する曖昧な存在とも言われます。新型コロナウイルスはどういう意図で、何かの大きな意思の下で感染拡大を起こし、ヒトを苦しめているのでしょうか。ヒトがコロナを制圧するか、大いなる意思がヒトを制するか現在も戦いが続いています。
コロナウイルスは遺伝情報を持つ核酸(R N A)をタンパク質の膜で包んだ構造をしています。タンパク質の膜は球状で表面にスパイクタンパク質が多数突き刺さった構造になっています。テレビでよく放映されるウイルスの写真で丸いウイルスの周囲がギザギザ尖っているのがスパイクタンパク質です。このスパイクが皆既日食の時に見える太陽のコロナに似ていることが名前の由来のようです。コロナウイルスは鼻や口から吸い込まれるとスパイクタンパクが気道細胞の鍵穴となり結びつきウイルス膜と気道細胞膜が融合し遺伝情報を持つ核酸を送り込みヒトの細胞を利用して核酸をコピーして新しいウイルスを作ります。新しいウイルスは近くの細胞からまた侵入してコピーを作りどんどん増殖していきます。ウイルスをやっつけるには、自分の力(免疫力)か薬でウイルスのコピーを止めさせなければなりません。
コウモリの細胞の鍵穴に合っていたウイルスがヒトの細胞の鍵穴に合うように変異し感染するようになったのが新型コロナウイルスです。ウイルスに打ち勝つには、まずウイルスを体に入れないこと。三密を避け、マスクや手洗いうがいをこまめに行うことです。次にウイルスが体に入っても自己免疫力を強化しやっつけることです。体力の消耗を避け、しっかり睡眠をとることが大事です。その次はワクチンの導入で、体に入ったウイルスの繁殖を抗体で遮断することになります。特効薬の無い今、出来ることをしっかりやって、感染に備えましょう。