令和2年も半年が過ぎました。今年は1月に中国で発生した新型コロナウイルスがあっという間に全世界に蔓延しました。日本も例外では無く2月から感染が広がりはじめました。S A R S、M E R Sの時は対岸の火事として楽観視していました。今回も以前と同様と考え、楽観視していたところ、隙を突かれ、日本中に蔓延する事態となりました。医療が発達し、色々な病気を克服できるようになり、寿命は100歳時代を迎えようとした矢先に、新型コロナウイルスに寿命のイエローカードを投げつけられました。これからは癌、脳卒中、心筋梗塞、生活習慣病に加え、感染症対策も日常から気を付けていく必要があります。
私は平成4年に医師になって以来仕事着として白衣を着てきました。ずっと白衣を着てきたので、白衣の暑苦しさには慣れていました。白衣の下にはカッターシャツを着て、ネクタイを着用して仕事をするようにと当時の教授から教えられたので、それが当たり前だと思っていました。看護師さんを白衣の天使と呼ぶなら、私は白衣の王子と呼ばれても良いように思いますが、呼ばれることはありませんでした。
私にもブームがあり、平成24年頃まではブルーのカッターシャツがお気に入りでした。平成24年に「成功する男の秘訣」という本に「人間関係を円滑に進めるためには相手に不快感を与える服装を避け、清潔感が必要でそのためには、適性サイズの白いシャツが一番」と書いてありました。この本を読んでからマイブームは白のシャツになり、色々試して、ユニクロのシャツを好んで着るようになりました。
その白シャツと白衣に終わりを告げたのが新型コロナウイルス感染症でした。白衣はクリーニングに時間がかかり、白衣の上に予防衣を着るとゴワゴワとしてとても不便でした。そこで、毎日でも洗濯出来、予防衣などを付けても動きやすい服として6月から新しいウエアに変更しました。看護師も同時に白衣を変更しています。白衣を変更してから、外来に来られた方の感想は「若くなった」と言われます。正直、嬉しいです。ただ、認知症の方の診察時には、今まで白衣で診察する時は、医師と理解してくれていましたが、新しいウエアでは、「あんた誰?」と見られることもあります。医師の「白衣」は多くの方に認知された、現代版「水戸黄門の紋所」だったのだと気付かされました。新型コロナは私からその紋所を奪ってしまいました。これからは紋所無しで頑張って行かねばなりません。とほほ。