平成から令和になった2019年も8月となりました。あっという間です。この調子なら2020年の東京オリンピックもすぐやって来ると思います。外国からも沢山の方がやってくると思います。日本のおもてなしの精神を多くの方に感じてもらいたいです。大きい意味のおもてなしの中に、日本が平和で安全であることも含まれています。そんな中、今、日本では風疹やはしか(麻疹)が流行っています。欧米諸国では予防接種により、すでに根絶されているとされる病気です。今、風疹は昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの方の抗体検査とワクチン接種を行なっています。自治体からクーポン券が郵送されています。是非活用して下さい。はしかはとても感染力が強い疾患です。予防接種をしていない方、一回しか受けていない方は是非抗体検査して下さい。こちらは有料となります。風疹、はしかを予防することもおもてなしの一つになると思います
先日、「たんぽぽ、ひまわり、なの花、花の里」の家族会で「ACP」の話をしました。ACPとはアドバンス・ケア・プランニングの略で、将来の意思決定能力の低下に備えて患者さんやそのご家族と具体的な治療・療養について話し合う過程(プロセス)で遺言作成ではありません。
私たちは皆、生まれた時から既に死ぬべき運命にあります。人生の最期をどう過ごすか。自分の最期を穏やかで尊厳を保って迎えるには、前もって準備が必要です。その準備がACPになります。人生の最期を迎えるのは病気だけとは限りません。事故や災害に巻き込まれることもあります。人生の最期の時のことを医療では終末期と呼びます。
終末期の患者さんとは、「最善の医療を尽くしても病状が進行性に悪化し、明らかに死亡することが、しかも予想し得る短期間におこると判断される患者さん」のことを言います。ただ、終末期は病気によって異なります。がんで在宅療養される方は2週間から3か月。認知症や老衰は寝たきりになって介助しても食事が出来なくなったら終末期と考えます。この終末期に延命治療するかしないか、するとしたらどの程度の延命治療をするかを生前に意思決定しておくことが大事になります。その意思決定を家族や医療関係者、介護関係者で話し合い、意思決定を支援するプロセスをACPといいます。
ACPは難しいことではありません。ただ、安らかで尊厳のある最期を迎えるためには健康な時からACPを考えておく必要があります。外来受診の際、「私には延命治療せんでええよ」と、一声かけることが簡単なACPのスタートになります。
覚え方は、「A:あたしの C:死 を P:プラン して」です。手軽に、ACPをスタートしましょう