平成最後の夏は、猛暑で西日本に豪雨災害をもたらした上、台風の多い夏でした。東から西に移動する台風はこれから先もお目にかかることは無いと思います。私の平成最後の夏は、過酷でありながら一服の清涼があった夏でした。その清涼は、夏の高校野球と2歳男児の救出劇でした。みなさんの夏はどうだったでしょうか。
先日、東京医科大学の不正入試問題の中で、「女性の入学を意図的に妨げている。」と報道がありました。確かに、私の大学時代も女性は少なかったですが、特に気にしたことはありませんでした。女性に入学制限があるのは、おかしいですね。今から出すクイズを解いて見てください。よく見かけるクイズなので分かった方は読み飛ばして下さい。
出勤途中に子供を学校で降ろすつもりでスピード・オーヴァーしていた自動車が、歩行者を避けそこねて、対向車線を走るトラックと正面衝突した。自動車は大破、運転手だった父親は即死。後部座席に座っていた少年は、頭部を強打して意識を失っていたものの、どうやら生命はとりとめそうである。少年は脳神経科の手術ができる大病院に、救急車によって即時運び込まれた。当直の医師の判断では、緊急の手術が必要だとのこと。すぐに脳切開手術の準備が整えられた。幸いにもこの病院には、同じような症例の大手術を何回もこなした著名な脳外科医がいた。ヨーロッパやアメリカの学会にも招ばれて、何度も講演したことのある、この分野の権威だ。
ところがこの脳外科医は、手術室に横たわる患者を見て、手にしていた電動ドリルを取り落としてしまった。脳外科医の手術とは、ノコギリとドリルとトンカチと鑿と虫眼鏡とメスとピンセットの世界なのである。
そしてこの脳外科医は言った、「この患者はわたしの息子である。だからわたしには手術ができない」と。さて、これはいったいぜんたい、どうしたことなのであろうか?
答えは、「脳外科医は少年の母親」です。脳外科医=男性医師というイメージが強いと難しい問題になってしまいます。私の属する外科も女性は非常に少ないです。長時間労働は当たり前の世界でした。しかし、今回の働き方改革で、女性外科医も働きやすい環境になれば、(というか、しなければならないと思います!)外科医のイメージも変化が起きると思います。大学受験を考えている女性の皆さん、医師を目指し日本の医療を変えて行きましょう!これからは女性が日本の医療を牽引していく時代です。