6月といえば、梅雨ですが最近は短時間に大雨が降り、今まで経験してきた、しとしとぴっちゃんしとぴっちゃんの梅雨とは少々降り方が違う気がします。しとしと雨と紫陽花とかたつむり。これが私の6月です。
ワクチン、何か嫌な言葉です。私は小学生の頃、体育館で痛い注射をされた記憶が蘇ります。厳かに、粛々と注射される世界。自分の番が近づいてきたら、心臓がドクドクとうち、一瞬で高まる恐怖。でも、終わった後の安堵感や達成感もありました。これから、注射される人への、良く分からない、優越感がありました。ワクチン接種は、私にとって大きなイベントでした。
ワクチン接種がとても痛く、出来れば避けたいことも良く分かります。しかし、この職業について、ワクチンの重要性も理解できました。かつて、人類の存続を脅かす病気をワクチンで防ぐ事が出来るということです。いくら、医学が発達しても、かかった病気を治すより、その病気にかからない方が、体は楽です。また、かからなくて良い病気ならば、ワクチンで医者が不要になります。
欧米では先天性風疹症候群(風疹にかかった妊婦さんから生まれる子供は心疾患や難聴などの障害を持つ可能性が非常に高い)の子供をほとんど見る事はありませんが、日本では約30人以上の先天性風疹症候群の子供が生まれています。また、子宮頸癌は年間2万人が発症し、約3000人が死亡する病気ですが、欧米でワクチンを導入してから、子宮頸癌を誘発するウイルスの感染率が大幅に減少したことが証明されています。今後、欧米では子宮頸癌にかかる人はほとんどいなくなると言っても過言ではないと思います。
ワクチンのもう一つに福音は、子供が病気になりにくいという点です。共働きの多い現在、おじいちゃん、おばあちゃんが子供を見てくれる家庭は多くありません。子供が罹患すると、どうしても、仕事を休まなければならないお母さんが多いと思います。でも、ワクチンを接種していると感染症が予防でき、お母さんの欠勤を減らすことが出来ます。
今、一番大事なのは、痛く無いワクチンを開発することだと思います。大人が作るワクチンは、子供の痛みの要素をあまり考えていない気がします。大人の打つインスリンの針は痛くない針の開発も進んでいますが、子供の打つ予防接種の注射は、痛みに関しては、あまり進化していません。予防接種を多くの人に広めるには、痛く無い接種方法の開発に力を入れるべきだと思います。子宮頸癌ワクチンの副反応の代表は痛みです。その原因はワクチンの成分による反応ではなく、心身の反応が大きいとの見解が出ました。
ワクチンの副反応は一定の頻度では起こりますが、ワクチン接種のメリットはデメリットより大きいです。痛みが、デメリットの中心であるなら、痛く無いワクチンを開発すべきです。その努力をせず、ワクチンを接種の積極的推奨を中止した厚生労働省は、視点を変え、世界に誇れる痛く無いワクチンを開発し、日本がワクチン先進国になるよう、主導するべきだと思います。日本から子宮頸癌が無くなる日が来ますように(合掌)。