台風が日本列島に甚大な被害をもたらしました。岡山の南の方は海抜0メートル地帯が多く、水害に脆いことがわかりましたが、東日本大震災級の津波が岡山を襲ったら、どこに、どうやって避難すれば良いのでしょうか。この難問に正答はないとおもいますが、ぎりぎり合格できる解答を用意しなければならないと思いました。
私は米国で暮らすまで、本がくれる力を知りませんでした。読書という趣味も無く、今から考えると本当にもったいない時間を過ごしていたと思います。
留学中いつも英語に悩まされました。本屋や図書館でコーヒーをのみながら文献とにらめっこしながら過ごす時間が多くありました。そんな中、知り合いの日本人から頂いた本を何気なく読み始めると、ものすごく面白いではありませんか。英語ではなく、日本語です。良く分かります。すらすら分かります。砂漠の砂が水を吸収するような勢いで読んでしまいました。その本は司馬遼太郎の梟の城でした。それ以後、司馬遼太郎の本は米国に住む私に日本の良さ、日本の美しさ、日本人のあり方を教えてくれました。日本人としての誇りを持ち、外国で暮らすことができました。その気持ちがあったからこそ、最終的に仕事を仕上げることができたと思います。
それ以後、つらい時や悩む時、本の中から魅力的な人物が出て来て、勇気や元気をくれ、指導してくれます。本との出会いが無ければ、今まで過ごした時間は虚しいものになっていたと思います。
私の好きな作家は司馬遼太郎、村上春樹、天童荒太、宮城谷昌光、宮本 輝、吉川英治などですが、おもしろそうな本なら何でも読みます。今は今月ある蒜山マラソンに出場するため、走るモチベーションを上げようと佐藤多佳子の一瞬の風になれを読みました。読んだすぐ後は、走る気になりますが、走っていると、走力のギャップ差に落ち込みます。何はともあれ、本は人生最高の友です。秋の夜長は虫の音をききながら、日本酒を片手に本を読みたいです。昔、ローカル電車で文庫本とウイスキーを持って旅をするコマーシャルがありましたが、今一番したい夢です。正夢になったらいいな。