平成23年3月11日14時46分、東日本大震災が発生しました。私は、待ち合い室のテレビ映像で地震発生を知ったのですが、これほどまで被害が大きいとは思いませんでした。普段格別意識しないで使っている水や電気、電話が使えず、家族の安否さえ分からず、不安と疲労を抱えて、避難所で過ごす方々の思いを考えると遣る瀬ない気持ちでいっぱいです。
阪神大震災の時は、岡山に近い事もあり、もっと身近に感じました。しかし、今回の地震の映像は、まるで映画「日本沈没」のワンシーンみたい見えます。これが、日本で本当に起こったのかと思えるほどの規模の大きさです。西日本は、平常通り、特に問題は起こっていません。日本の国土はこれほど南北に長いのだなと痛感した事はありませんでした。
岡山医療センターに勤務していた時、その頃医療センターが岡山の被爆治療を行う医療機関に指定されていたため、私は、放射線医学総合研究所で開催された緊急被ばく医療セミナーを受講しました。受講しながら、日本で普通の人が被ばくすることは、めったに起こる事ではないと軽く考えていました。しかし、今回、福島原発で放射性物質が放出され、被ばくした方々がいると聞き、備えあれば憂いなしと言いますが、備える時から本気で備えなければならないと改めて思いました。あの時、除染方法の訓練、被ばくした負傷者の処置などを学びました。それが、今役に立とうとしているのでしょうか。
私は平成14年に緊急被ばく医療セミナーを受講し、参加証は第164号でした。今では多分、300名を超える受講者がいるはずです。もし、地域住民にヨード剤の配布が始まれば、ある程度の内部被ばくがあったと考えるべきです。政府の情報公開を望むとともに、私も、もう一度テキストを読み直し、連絡を待ちます。
今回は『その時、あなたは?』というテーマで書き始めました。『その時』は各個人にとって、いろいろな場面があります。今回の地震の被害者になった時どうしますか?とか、歩いていたら、後ろから津波が襲ってきた時どうしますか?など、被害者の立場ではなく、第三者の立場から、どうするか?という意味で書きました。今、被害者の方々を救うために、同じ日本に住む日本人として、何をすれば良いか?という意味です。簡単で皆で出来る事が一番重要です。備蓄エネルギーが限られている日本では、エネルギーを東日本に回すために、節電や燃料の節約、節水、早寝早起き、徒歩、自転車の使用などちょっとした心がけでできる事を始めるのが一番ではないでしょうか。テレビをずっと付けっぱなしで、暖房を使い、地震情報を深夜まで見て、被災者に同情することで東日本の助けになるでしょうか。それより、エネルギーを節約し、東日本に代わって、西日本が頑張らなければならない時に備え、その時に活躍できるよう体力、知力を充実し温存しておくほうが良いのではないかと私は思います。