4月、日本人にとって特別な月がやってきました。新入学、新学年、新年度のスタートは桜の花とともにやってきます。桜の花は日本人にとって、新しいスタートを視覚的に教えてくれる象徴のような気がします。桜の花に元気をもらい、今年度も頑張ろうと思います。
桜と言えば、花見です。先月『食べたい』について書きました。美味しく食べるには、食べる環境も大事です。花見は桜の花の下という贅沢な環境で食べれるため、何を食べても美味しく、お酒がその効果を倍増してくれます。楽しく食べる事はとても重要な事だと思います。
最近は朝ごはんを食べない生徒の集中力や学業成績が問題になっています。食べる事は脳にエネルギーを送り、脳神経細胞がストレスなく働くために非常に重要な仕事です。認知症や高齢の方では、もっと食べる事を大事にするべきだと思います。食べ物の匂い、音、色 などで五感を働かせ、口で味覚を感じ、噛むことで顎を動かし、呑み込んで嚥下運動する。この一連の動作は、非常に脳を活性化する作用があると同時に脳にエネルギーを送っています。毎日三回、この運動をくり返す事は、非常に重要なリハビリになると思います。美味しい食事を食べるという事は、知らず知らずのうちに、しっかりリハビリをしているのです。胃瘻などから栄養を取っていると、このリハビリができません。胃瘻を使用せず、何とか口から食べることが重要なのです。しかし、胃瘻から脱却し、楽しく食べるには、多くの努力が必要です。食事はまず、美味しくなければなりません。なの花、たんぽぽの食事はおやつを含め、当院で作っています。管理栄養士さんが旬や季節の催しを取り入れた献立を作ってくれます。野菜は理事長が手間暇かけて菜園で作った野菜も使用しています。栄養のバランスが良く、美味しいです。(私は一日の栄養をほぼ昼食で取っているような感じです)美味しく食べるには雰囲気も大事です。4月、なの花、たんぽぽでは1週間お花見を兼ねて、外でお弁当を食べることになっています。この1週間、職員は大変ですが、利用者さんの笑顔と楽しい食事のため頑張っています。桜を見ながら、美味しい食事を楽しみましょう。
自分の人生最後の食事には何が食べたいか?とよく考える事があります。(こんな事をよく考えるのはおかしいでしょうか?)どんな状況で最後の食事を迎えるかによりますが、普通に家で夕食を食べるとしての人生最後の食事です。主食は肉より魚です。魚も何が良いか迷いますが、一番はさばの塩焼きです。副菜は切干大根。(小学校に行くまで食事が嫌いでしたが切干大根をごはんにかけたものだけは好物でした)それに、ごはんとあさりの味噌汁があれば最高です。
皆それぞれに、食事に対して思い入れがあるとおもいます。今回の独語を書きながら、楽しい食事には目に見えない多くの努力が隠されている事を再認識しました。何時、最後の晩餐がくるか分かりません。一食一食大事にいただきましょう。